第2話 いざ、焙煎修行!…しかし

すっかりこの喫茶店の常連となった高校生の私。
暇さえあれば足を運んでくつろいでいました。

そんなある日、マスターから話が
「コーヒーの焙煎をやってみんか?」
とお誘い。少しびっくり…
将来のことはそれなりに真剣に考えていたけど
この頃は正直、明確なものもない…
コーヒーへの興味は…ある!
二つ返事で「はい、やります」と答えてしまったのです。

それからまもなく、株式会社ワールドコーヒーを紹介され、入社。
すぐに焙煎修行の道へ突入しました。
ほぼ毎日焙煎を行うというシンプルな修行ですが、
これが自分の想像をはるかに上回るほどハードでした。
持てる体力・気力を酷使しながら
とても繊細な作業を続けなければならない。
…こんなはずではなかったと後悔の念が尽きませんでした。

やがて限界はくる。
入社して3カ月で「辞めたい」と思うようになりました。

しかし、その度に私の脳裏にマスターの顔が浮かびます…
「1年は辛抱しよう。せっかく紹介してもらったのだから。」
さらに、焙煎づけの日々が続くのでした。

つづく